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飼い主の私 JO母

Author:飼い主の私 JO母
J.O.(ジャッカル・オイ)のサバンナ日記の続編。

舞台をアメリカ南部の小さな町サバナに移し、『フンッ!』眉毛吊り上げ活躍中の愛犬。前世は黒人の奴隷だったと思う飼い主が涙ながらに綴ります。

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オイ 泳ぐ。そして靴下も運んだ。

ここ2日、ダンナは東京に日帰り出張が続き、かなり忙しいらしい。今夜もモスリムだけどオレ、酒は飲んじゃうんだぁ〜、っていうオジサンの接待だから夕食要らないって。私もオイも、自分達だけのペースでやれて助かっちゃうなぁ。

それにしてもね。帰宅が遅れるって言うのに、『そっちに行くのは9時過ぎになるから、飯、先に食っててくれ』 だって。そっちって事は、あっちもあるらしい。それはさぞかし、忙しいだろうよ。


*************


昨日の天気は複雑だった。

短かったけれどとても暑い時間もあった。河川敷にポツンと1つある小さなグランドでオイと遊んでいたのだけれど、ガムシャラに走ったオイは、また『水溜りに入りたい〜』と
熱望。ダメだよ!と許さないけれど、だけど、あのオイの状態を見てると、クール・ダウン無しには、ぶっ倒れてしまいそうで、どうにも心配で仕方ない。

で、頃合を見計らって川に向かった。川が砂で堰き止められた絶好地を発見。そこらに落ちていた下駄の破片を投げてやると、大喜びで飛び込む、飛び込む!

『投げてぇ〜、投げてぇ〜、も1回、も1回、下駄、投げてぇ〜!』

泳いだ後も絶好調。正面停座でボールも渡せるようになったし、あくまでも遊びの時間だけれど、服従訓練を織り交ぜてみると、機敏に従う。私の帽子が風で吹き飛ばされれば、回収犬としても役立つ。・・・生まれ変ったオイがいる。


さて、ここまでが、オイの大好きな時間のお話。


**************


次がオイの嫌いな時間のお話。

オイの仕事の中に、靴下を回収する、というのがある。洗濯後の靴下を10セットほど廊下の端に置いて、反対の端で待つ私のところに全部を回収しなければならない。

これがお嫌いです、オイちゃん。

最初の頃は、ヒステリックに靴下を床に叩きつけたり、グゥ〜と唸って靴下に飛び掛ったり。イジレて運ぶから、靴下踏んで、セットが解けて仕事が倍にもなり。無い知恵かき集めて閃いたのか、まとめて口に詰め込もうとしてる姿もあった。

今も面白い。上手く撮影できるなら、こっそりビデオで撮影したいほど、面白い。

どんなに抵抗しても、この仕事から解放されないことを理解したオイは、しかし、それでも自分の内なるワガママからも解放もされず、悩めるハムレットのごとく靴下を見て呆然とする。

『運ぶべきか』 『運ばざるべきか』  う〜む。う〜む。

やがてオイの心の葛藤がどう決着尽くのか知らないが、たかだかそれだけの事に『意を決して』靴下を咥え始める。ヤケクソ気味だったり、自分で気分を高揚させる必要があるのか、大袈裟にポーズを決めたりして、しかし、何とか靴下を運び出す。

3回も運んだ頃から、今度は『そんな怖い顔で命令しないで』『もう少し、褒めてくれて良いと思うの。もう一度、この難題に挑戦する前に、私を励まし直して!』と、甘えたように誤魔化して、私に関与したがる。そして、ま〜た、まるで何をするべきか理解できないかのように、突然、廊下の真ん中でボーと立ち止まってみたりする。

いい加減、待ってるこちらも短気を起しそうだけれど、たったこれだけの作業であっても、根がワガママな犬とはこーんな葛藤を抱えて生きているのだ、と見せつけられる。

自分が愉快でない作業であっても、『私の仕事ですから♪』とオイが思い直す日は、まだまだ遠そう。


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