犬にも胃酸過多ってあるんだ
小芋を食べたら、胸につかえて死にそうになった。
大袈裟でなく、ほんとうに死ぬわよ、私!両親に宣言。恐るべき殺傷能力だな、小芋。無邪気で愉快な姿をしているくせに、油断ならない。
そういえば、明け方オイも胸焼けを起したらしく、庭の草をムシャムシャ食べ出した。モロコシ入りフードを密かに増量し続け、20粒にしたのが限界量を超えたのか?
『芋はゆっくり食べなさい』と呆れて諭す父に、オイのそれは大体、朝4時頃に我慢できなくなると返事する。すると
『それは朝食の期待もあって腹が減ると、胃酸が出過ぎているのではないか?胃酸過多の場合は、温かい牛乳でもすぐに胃に入れてあげなさい』
胃の手術を経験した元患者は、声に力を込めて熱心に語り始める。
医者に『完治』の太鼓判を押されて以降、父は自分の病のウンチクに耳を傾けてくれる相手を見つけるのが困難らしい。どうも、暇を持て余した私が“親孝行”として、たまに相槌を打ってあげる程度ではないか。そう思ってこの時も、『ふーん、ふーん』と真剣な生返事をして帰ってきた。
けれど念のためにネットで調べてみると、胃酸過多の状態の犬は、草を食べたがる、とあった。へぇ〜。
そこでオイの夜の食事をいつもより遅くしてみた。これで朝が楽になるかな?
ところが、いつもの夕食の時間になると、オイ、勝手に停座を始め、クソ真面目な顔で私を見つめ始める。顔に穴が開きそうだ。
つい『何よ?』と訊くと、食事台の前にいそいそと立つ。『元の場所に戻れ』 命じると、今度はそれを無視して、食事前に入れられる事の多いクレートに勝手に飛び込んだ。
『胃酸過多の犬は、このように飼い主の誘導・催促が上手いのが特徴です』
つぶやいてみるが、聞き手無し。
嘘をついても独り JO母
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