迷惑な贈り物
西欧人は、神は天に存在、幸福は空の上にあるものと考え、故にバレエは、トゥシューズを履き、つま先立ちで「天に、より伸びるように、より近くに」と、踊るのだそうだ。
それに対して日本人は、豊かな実りをもたらす大地こそが幸せの源であり、「地面に根を踏ん張れ」とばかり、腰を落とし、地面を踏みしめるように踊る。
リードを解かれたオイが一挙に駆け出し、突進した。キャビアに付く小さなパンケーキのようなものが(食べたこと無いけどあんな感じ)、溶けた雪の間にポツンとある事に気が付いたけれど、時すでに遅し。
ウチは坂道に建つので、塀は結構高い。なので投げ入れられた差し入れとは考え難い。ダンナも身に覚えが無いというし、出所がまったくの謎。天からの“カラス”を使ったプレゼントとしか考えられない。幸せは天にあるのか?
オイには忘れられないような贈り物でも、これはまったく大きな迷惑!
地面の匂いを落ち着き無く嗅ぎまわる姿も品行卑しく、「それでいいのか?」と苦々しく見ていれば、ハッと野生の警戒心を丸出しにしてこちらを振り返る。
先日、良い感じで庭を一周走り、そのゆったりとした態度がとても嬉しかったというのに、あれは夢か幻か。嬉しい時、さりげなく、そっと鼻面を押し付ける可愛らしい行動も、黙っていてもトコトコ私に付いて歩く姿も、あっという間に消えた。
「雪の下にまだあるんじゃないのぉ〜?」
キャビアのパンケーキ(のみ)で、あのコの脳みそは一杯。
臀部の筋肉が落ちすぎたオイなので、係留中に活発に動いてくれるのは嬉しいところなんだけど、これでは困る。オイに天から与えられた大地の幸せは、それじゃないのよ〜。
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