平和を考える
私、オイよ。
元気よ。雨も上がって、とても良い天気ね。
こういう天気の日は、目がよく見えるから気分がいいわ。
どうやら私、色盲らしいの。
今朝も苦手な爆竹が鳴ったけれど、朝ごはんの後で、お腹が一杯で、
眠くなってた時だったから全然、平気。
平和っていいわね。
私も心底、くつろぎたいのよ。
今はまだなかなか出来ないけれど、こんなに臆病でなかったら
どんなに素敵だろうと時々思うの。
今日は父さんが家にいる日みたいね。
父さんは好きだけれど、ちょっとウザイ。
『玄関に入っても宜しい。但し絶対、家の中に上がらないこと』
これは人間達が私に作った掟で、私、ちゃんと守っているのよ。
それさえ守ればテラコッタの床は、なかなか快適でいいわ。
でも父さんのいる日は、タバコを吸いに何回もここに来るのよ。
そこに座って、ボケーとただ一緒に、私と時間を分かち合えば良いのに
それが解っていないのが残念。
たま〜に、そういう時もあるの。
寝てる私の頭に帽子を載せるような事するのだけれど、
それでも嫌にならない、ノホホーンと出来る相手は父さんだけ。
母さんにも動くなと言われれば、同じようにするけど、まったく意味が違うわ。
普通は父さんが来ても知らんぷりをして寝ている。
そうすると頭を撫でていくわ。
お尻を撫でていくこともあるわね。
だって、私がお尻を向けたままでいるから。
『こら、こっちを向け、オイ』とたまに言うけど
面倒くさいから聞こえないふりをすんの。
1回で従ってはダメ。それが当たり前に思われてしまうからね。
大体3、4回目ぐらいが、従いどころ。
これ以上しらばっくれていると、無理やり起されて不愉快な目に合うから
気をつけなくっちゃ。
でももっと嫌なのは、父さんと一緒のところに、母さんが顔を出す時。
私、体が縮んで、耳が後ろに倒れちゃうの。
何だか、自分がとても悪いことをしているような気がするのよ。
『オイをこんなに怯えるコにしてしまって』
父さんは、そんな私を見て責めるように母さんに言う。
(ふん。オイの悪気が、そういう卑屈な態度にさせるのかなぁ〜?)
母さんは、どうやらそう思っているみたいね。
人間たちは解っていないけれど、私が欲しいのは、平和な時間だけよ。
遊んで、ご飯を食べて、後は平和に安全にのんびり暮らす。
あなた達同士がどんな係わり合いをしようが、実際のところ私にはあまり関係ないの。
でも私の穏やかな時間を尊重してくれますようにって
心の中でお願いしてんのよ。
平和ってとても素晴しいのよ。
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